メインテーマ(My Column)
テーマを絞った随筆(エッセイ)集です
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一通のエアメールが届いた。独特の赤と青の縁がある横長の封書だ。去年のフィリピ
ン・ベトナムの旅にて撮った写真を現地に郵送した際の返信だった。
フィリピン共和国ボホール島は首都マニラからプロペラ機で約1時間、有名なセブ島の
隣の小島だ。さらにパングラオ島という橋渡しになっている離島に滞在し、レンタルバイク
で島内を探検している時に彼らに出逢った。11月初旬の夕刻、ホテルに戻る途中の砂利
道に面した大きな教会。その広大な中庭で遊ぶ大勢の子供達を見つけて思わず駆け寄っ
た。ご存じフィリピンはアジア諸国内で最大の英語国圏である。マニラではタガログ語が、
中部の島々ではビザヤ語が公用語であるが、何故かフィリピン人はみんな英語も話せる
のである。
今の日本では考えられない光景−子供達が男女とも入り交じって戸外で遊び回る姿−
に感動した。最初カメラを向けると逃げ回っていた彼らが、時間が経つにつれて群がって
きた。あごの下に手を差し出すフィリピン流ポーズをとる者、積極的にシャッター係を志願
する者そして相変わらず異邦人の私を警戒して距離をおく者。
「撮った写真はいつ見れるのか」
と催促されてしまった。日本に帰ったら送るからと代表に学校の住所を紙に書かせた。年
が明けて出来上がった写真の束に手紙を添えて郵送した。
今回送られてきた手紙は彼らのひとりのいとこからだった。名前からでは誰のいとこかも
わからず、私には性別も判断できない。年齢が22才ということは明らかであるが、
「とりあえず外国人のペンフレンドとして今後ともお付き合いしたい」
という内容だった。
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