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テーマを絞った随筆(エッセイ)集です

白い朝 2003/04/13
 私が好きな夜明けの色は「白」。1年365日中、大抵の夜明けは眩しいくらいに光り輝く 黄金色か朝焼けの赤紫。もしくは曇天・雨天時のグレーな暗い夜明け。
 1979年(我が輩・高1)にミリオンの大ヒットとなった久保田早紀のシングル「異邦人」。 彼女が自作の歌をレコード会社に持ち込んだ際の曲のタイトルは「白い朝」だった。商売 っ気のあるレコード会社は曲名を変えて発売し、思惑通りにヒットしたわけである。
 今考えれば、当時は空前のシルクロード(絹の道)・ブーム。オリエンタルな曲調・歌詞は 勿論のこと、彼女のお顔立ちも神秘的だった。他にも「飛んでイスタンブール(庄野真 代)」・「ガンダーラ(ゴダイゴ)」や「ボヘミアン(葛城ユキ)」などの異国情緒モノがこの近辺 の時代にヒットしている。
 今でこそ海外旅行は費用も安く、身近になったが、当時はまだまだ高価で贅沢極まりな い。行けてもハワイかグアム・香港あたりが主流で、ミステリアスな雰囲気を味わう中東や アジアのツアーなどほとんど無かった。「簡単に行けるものなら行ってみたい」。そんな夢と 希望をパンピー(一般人)に与えた衝撃的なヒット曲だった。
 さて、本コラム・タイトルの「白い朝」。白い・・・といっても人それぞれ感じ方は異なると思 うが、私の場合は「白い霧の立ちこめた神秘的」な朝。これがやたら日常的にお目にかか れるものではない。「明日こそは」と日々期待して毎日を過ごすものの、裏切られる回数は 年に360回を超える。
 結婚して久米早紀に名前が変わっていた久保田早紀さん。彼女自身の「白い朝」とは、 一体どんな朝だったのだろう。




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