メインテーマ(My Column)
テーマを絞った随筆(エッセイ)集です
|
|
1979年12月。当時高校1年の私は深夜のラジオ番組で流れたこの曲を全身に鳥肌を感
じて聴いていた。女性ボーカルのような透き通ったその高音の歌声は、同時にヒットした高
音ボーカル「大都会(クリスタル・キング)」と並んで歌謡界に衝撃を与えた。
この曲を聴くと今だに思い出すことがある。せつない失恋話とか言った色のあるモノでは
ない。中型自動二輪の実地試験に通った二俣川の運転試験場を思い出すのである。
今のようにバイクへの規制がまだ厳しくなかった当時のこと。3年生の先輩方々の卒業
式当日、私は出席を取り終えた直後に制服のまま二俣川へと急いで相鉄線に飛び乗っ
た。「外は今日も雨。やがて雪になって、僕らの心の中に降り積もるだろう」の歌詞が商店
街のスピーカーから響き渡るなか、本当に降り続いていた雨が雪に変わった。
当時、教習所で7万円が相場だった自動二輪免許取得費用が、俗に言う「試験場一発」
だと一回の試験料が僅か1600円で済む。この日が2回目の実地試験となる私は、他の試
験者たちが雪のコンディションで悪戦苦闘するなか合格した。ブレザーと革靴の制服姿で
実地試験を受けさせてくれたのだから、あの時代は良かった。
そんな記憶と共に我がお気に入りとなったオフコースの「さよなら」。これまで結婚式の披
露宴で「是非とも私に歌わせてくれ」と司会に頼むものの見事に断られ続けている。どこか
にシャレのわかるカップル居ないものだろうか。
|
|
|
|