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テーマを絞った随筆(エッセイ)集です

プロ野球を10倍つまらなくする方法〜前編〜 2003/09/28
 私が初めて原辰徳を実際にこの目で見たのが小6の時。近所の東海大相模高校が春 の選抜・甲子園大会で準優勝した際のパレードでだった。
 私が初めて江川卓を知ったのは、少年マンガ誌「少年ジャンプ」に一話完結で掲載され た「江川卓物語」でのこと。卓少年は小1の時に天竜川に石を投げ始め、小5で対岸に届 くほどの強肩の持ち主となった。
 両者とも、野球選手を志す少年にとっては憧れだった。そして、「やがて彼らが巨人をよ り強くする」。そう固く信じたものだった。
 現国会議員・江本孟紀のベストセラー「プロ野球を10倍楽しく見る方法」が世に出たのが 1983年のこと。この頃を境に日本のプロ野球がつまらなくなってしまった。私の記憶する限 り、当HP「ひとRiごと再び〜名場面集〜プロ野球・前代未聞の大激戦 」のシーズンを最後 にである。
 江本氏のベストセラーによると、「日本球界の選手たちの年棒が安いのは、長嶋さんや 王さんをはじめとするV9時代の巨人軍選手のハングリー精神の欠如にある」と、指摘して いた。つまり、当時のジャイアンツは強くても、給料アップはそれほど選手が望まなかった ということ。現にそんなプライベートなことはマスコミも公表しなかったし、「ひょっとしたら年 功性の給与体系だったのかな?」。と、疑ってしまう。
 こんな本のせいか、江川や落合のせいなのかは分からないが、この頃から日本のプロ 野球は金銭主義に傾きだした。ドラフトやトレード、そして契約更新時の金額換算による選 手評価である。
 我らの少年時代に夢を与えてくれたプロ野球。所詮その夢も”千金”のことだったのか。 プロなのだから、商売っ気を出すのは当たり前。しかし極端すぎると、昨今のように選手 寿命を縮めたり、球団間の移籍も多くなる。昔のように、憎ったらしい敵チームのキャラ (田代、宇野、杉浦、大杉等々)を減らすのも野球をつまらなくする要因である。〜後編に 続く〜
 




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