メインテーマ(My Column)
テーマを絞った随筆(エッセイ)集です
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「青春工房Vol.8」収録曲。当時は定冠詞の「The」が付いていなかった「アルフィー」の初
ヒット曲。西暦は1983年、今から丁度20年前のこと。
さて、今回のコラムは私が初めて歌ったカラオケの話。アルフィーの大ヒットの翌年、私
は大学3年生、21才。アルバイトで勤める先の工場の専務が、私を含める学生アルバイト
4人をスナックに連れていってくれた。生まれて初めてのスナック体験。綺麗なお姉さん達
のもてなしに緊張は高まるばかり。
カラオケが世に普及し始めたのが丁度この頃。が、今の通信やレーザーとは違って、操
作は全て手動。客はまずリストに基づいて曲を選択する。裏方のホステス(用心棒の男の
場合もあった)は曲番号からカセットを検索。ひとつのカセットに4曲しか収録されていな
い、いわゆる8トラ式カセット・テープ。現在のVHSテープほどのバカでかさ。エンドレスな
ので、歌い手が途中でギブアップして、演奏を中止させると、次にこのカセットをかけると
演奏は始めから行われなくて困った。余談だが、当時の車載用のカーステにこの「エイト
ラ」が使われていたのだから驚く。裏方の次の作業は歌詞帳検索。当時はカラオケのステ
ージに譜面台があって、人はそれに置かれた歌詞を見ながら歌った。俗に言うこの「歌
本・ウタボン」はビニールでコーティングされていたので、よく譜面台からすべり落ちたり、
勝手にページがめくられたりした。また、歌本に載っている情報は詞だけ。これだけで歌い
こなすのは難しかった。後期には、「イントロ30秒」や「間奏20秒」などの情報付き親切バ
ージョンも登場した。カラオケ志願者が増えると、これらの作業を効率よく行わなければな
らず、裏方の技量が左右した。当時は演歌が主流のカラオケ。ポップスを探すのは一苦
労。どうしても歌いたい曲を客が持ち込んだりもした。お陰でカセットも歌詞帳も種類がバ
ラバラ。
まだまだ当時のカラオケにはエピソードがあったが、私が初めてチャレンジした曲が表
題の「メリーアン」。人前で歌える快感と歌手気分が味わえる自己満足系の娯楽は20年後
の今日でも続いている。内輪だけに歌声を聴かすカラオケボックスよりも、見ず知らずの
人に聴いてもらえるスナック系のカラオケの方が私は好きである。ちなみに私が2曲目に
歌ったカラオケ曲は「モニカ(吉川晃司)」だった。
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