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テーマを絞った随筆(エッセイ)集です

メリーアン 2003/08/24
 「青春工房Vol.8」収録曲。当時は定冠詞の「The」が付いていなかった「アルフィー」の初 ヒット曲。西暦は1983年、今から丁度20年前のこと。
 さて、今回のコラムは私が初めて歌ったカラオケの話。アルフィーの大ヒットの翌年、私 は大学3年生、21才。アルバイトで勤める先の工場の専務が、私を含める学生アルバイト 4人をスナックに連れていってくれた。生まれて初めてのスナック体験。綺麗なお姉さん達 のもてなしに緊張は高まるばかり。
 カラオケが世に普及し始めたのが丁度この頃。が、今の通信やレーザーとは違って、操 作は全て手動。客はまずリストに基づいて曲を選択する。裏方のホステス(用心棒の男の 場合もあった)は曲番号からカセットを検索。ひとつのカセットに4曲しか収録されていな い、いわゆる8トラ式カセット・テープ。現在のVHSテープほどのバカでかさ。エンドレスな ので、歌い手が途中でギブアップして、演奏を中止させると、次にこのカセットをかけると 演奏は始めから行われなくて困った。余談だが、当時の車載用のカーステにこの「エイト ラ」が使われていたのだから驚く。裏方の次の作業は歌詞帳検索。当時はカラオケのステ ージに譜面台があって、人はそれに置かれた歌詞を見ながら歌った。俗に言うこの「歌 本・ウタボン」はビニールでコーティングされていたので、よく譜面台からすべり落ちたり、 勝手にページがめくられたりした。また、歌本に載っている情報は詞だけ。これだけで歌い こなすのは難しかった。後期には、「イントロ30秒」や「間奏20秒」などの情報付き親切バ ージョンも登場した。カラオケ志願者が増えると、これらの作業を効率よく行わなければな らず、裏方の技量が左右した。当時は演歌が主流のカラオケ。ポップスを探すのは一苦 労。どうしても歌いたい曲を客が持ち込んだりもした。お陰でカセットも歌詞帳も種類がバ ラバラ。
 まだまだ当時のカラオケにはエピソードがあったが、私が初めてチャレンジした曲が表 題の「メリーアン」。人前で歌える快感と歌手気分が味わえる自己満足系の娯楽は20年後 の今日でも続いている。内輪だけに歌声を聴かすカラオケボックスよりも、見ず知らずの 人に聴いてもらえるスナック系のカラオケの方が私は好きである。ちなみに私が2曲目に 歌ったカラオケ曲は「モニカ(吉川晃司)」だった。




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