メインテーマ(My Column)
テーマを絞った随筆(エッセイ)集です
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私が敬愛する純文学者・志賀直哉の小説のタイトル。氏が山手線に挽かれて(情けな
い!)、城崎のサナトリウムに療養していたときの随筆っぽい小説。「一度は訪れてみる価
値あり」ということで、昭和63年(社会人2年目の夏)のツーリングでこの地を尋ねてみた。
関東在住の人間にとってはピンとこないが、この地の所属は兵庫県であった。「兵庫は
日本海にも面していたのか」。恥ずかしながら、この時に初めて知る事実だった。
午前4時に自宅を出発。前回の初回ツーリングに続いて、今回も高速道での走行は回
避した。名古屋通過が正午なら、日本三大美景のひとつ「天橋立」到着は午後7時だっ
た。更にバイクで走ること2時間、その日の最終目的地である城崎到着は午後9時を回っ
ていた。
寝床は駅の待合室。とりあえずは駅前の食堂で夕飯。その後は城崎名物外湯巡り。ち
ゃんと宿に泊まっている人は「外湯パス券」を宿から配布されているので、番台通過はフリ
ーパス。私みたいなフータローはその都度料金を払わなければならない。バイク・ブーツ
は風呂屋の下駄箱に入らないので、その都度番台に預かってもらった。
外湯(公衆温泉浴場)が有名な城崎では、各旅館に内風呂はない。よって、城崎温泉は
外湯巡りをする人々で通りはいつも賑わっていた。それらの外湯は小さい川の両側に位
置していて、その風情は他の温泉地とはひと味もふた味も違って、抜群の雰囲気を醸しだ
していた。
駅舎でシュラフ(寝袋)にくるまって寝ていると、警官に起こされた。
「こんなとこで寝てたらイカンがに。まったく近頃の大学生は・・・・」
今、日本国内で何処かもう一度行く機会が与えられれば、真っ先にこの城崎を挙げた
い。肉体的にも、精神的にも傷を癒すにはもってこいの地だと思っている。この時は僅か
半日の滞在であったが、この次は少なくとも1週間は滞在したい。熱海や別府とは違っ
た、「これぞ日本の温泉」といえる温泉郷だった。ところで、この小説に登場する「サナトリ
ウム」って一体何なのだろう。その道に詳しい人、だれか教えて下さい。
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