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テーマを絞った随筆(エッセイ)集です

朝鮮中央放送 2005/01/23
 
 小学校5年の頃から中学にかけて、BCLという趣味に取り憑かれていた。これは、 BroadCasting Listenersの略で、世界各国の放送局を聞いて、その証拠をレポートとして (受信報告書)直接郵送して、証明証(ベリ・カード)を発行してもらうというもの。数百枚集 めたベリカードが、押し入れの何処かにしまってあるはずです。発見されたら、ウェブ上で 紹介しようと思います。
 さて、数多い世界の放送局の中で、一番独特だったのが「朝鮮中央放送」です。国名 は、朝鮮民主主義人民共和国すなわち北朝鮮の放送局です。
 何が独特?って問われれば、「政治色の非常に濃いところ」と、答えます。とにかく、自 国、ソ連、中国のことはよく褒めて、韓国、アメリカ、日本については悪口だらけでした。
 受信報告書を郵送する度に、2週間くらい(他国の放送局を平均すると、1〜2ヶ月くら い)で、綺麗なベリカードが送られてきました。余談ですが、北朝鮮宛の郵便って、届いて いたのですね? 今考えれば、宛先が「朝鮮中央放送局」だったからだと思います。
 ベリカードだけでなく、ペナントやカレンダーも貰えたので、調子に乗った覚えがありま す。
 「もっと貴国のことが知りたい」
と、意見・感想欄に記入したら、現地の新聞も送って貰えました。
 その半面、指摘を受けた事もありました。
 その当時の北朝鮮の主席は「金日成」でした。ところが、放送局のアナウンサーは「キ ン・ニッセイ」ではなく、現地語発音の「キム・イルスン」と読んでいたのです。小学生の私 には、この発音の聞き取りが困難で、「受信報告書」には「偉大な大元帥・キムールさん」 と記入していました。それに対する指摘の文面は、
 「我が国の偉大な元帥は金日成(キム・イルソン)主席です。」
でした。
 60年代から70年代にかけて、北朝鮮による日本人の拉致が頻発しました。朝鮮中央放 送のリスナーから寄せられた「受信報告書」を元に、拉致を計画的に人選から行ったとい う説もあります。また、こちらも噂ではありますが、拉致被害者の「横田めぐみ」さんの夫 (キム・ヘギョンの父親)は、「朝鮮中央放送」の日本語課スタッフのひとりであるという話も あります。
 久しぶりに、短波ラジオの電源を入れてみました。当時ほどの大出力ではありません が、時間や周波数によっては強力に入感してきました。放送局名は「朝鮮(チョソン)の声」 に変更になっていました。面白いことに、インターバルシグナル(放送開始の合図)は昔と なんら変わっていませんでした。添付の放送は2005年01月22日17:00に録音したもので す。
 最後に、現在の「朝鮮の声」放送の日本語番組のスケジュールを掲載しておきます。中 波(AM)は全く聞こえてきませんでした。短波ラジオで聞くことをお勧めします。特に良く聞 こえるのが、16:00〜19:50の9650kHz、20:00〜21:50の7580kHzでした。
  16:00-17:00A  621, 3250, 7580, 9650
  17:00-17:50B  621, 3250, 7580, 9650
  18:00-19:00A  621, 3250, 6070, 7580, 9650
  19:00-19:50B  621, 3250, 6070, 7580, 9650
  20:00-21:00A  621, 3250, 6070, 7580, 9650
  21:00-21:50B  621, 3250, 6070, 7580, 9650
  06:00-06:50B  621, 3250, 7580, 9650
  07:00-08:00A  621, 3250, 7580, 9650
  08:00-08:50B  621, 3250, 7580, 9650   BはAの再放送。時間は日本時間。周波 数の単位はKHz。
          




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