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テーマを絞った随筆(エッセイ)集です

浪板海岸 2011/04/02
 この度の地震により被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。 

 さて、表題の「浪板海岸」です。岩手県の釜石と宮古の間に位置します。
 この地を初めて訪れたのは25年前。社会人になって、初めての夏休みに東北一周ツー リングに行った時でした。現地到達時間は午後7時で、既に夕暮れ。後に知ったのです が、「寄せても返す波はない」という現象を、大変神秘的に感じた砂浜でした。波打ち際に 立つホテルに、いつか宿泊する事が将来の夢となりました。
 でも、「三陸では大津波が度々来ると云うし、その時は大丈夫なのかな?」 若干23歳の 若僧の自分でも、思わず心配してしまった記憶が残っています。

 「この砂浜にもう一度行きたい!」と、思い続けて23年。一昨年の夏に再度、三陸を訪れ る機会に恵まれました。ネットで調べると、あのホテルの名は「浪板観光ホテル」。40歳代 半ばの経済状況でも、一泊の宿泊料金は手が出ないほど高価でした。
 
 一人旅なので、安い釜石のホテルに泊まって、軽のレンタカーで「浪板」に行きました。
 今回の到着は夕方5時頃。真夏なのに、人けの少ない海岸は、20数年前と全く変わらな い風景でした。「寄せても引かない波!」。その正体は、寄せた波が、その場で砂に浸み 込んでしまうのです。

 「浪板観光ホテル」。ありましたねー。防波堤を歩いていると、大浴場の中が丸見えなくら い海岸に近い立地です。盆休み真只中の料金で泊まれるお金持ちが羨ましかったです。
 
 今回の東北関東大震災に於いて、大きな被害を受けた岩手県の市町村に「大槌町」が 挙げられます。町長含む多くの職員が不明となり、ニュースで取り上げられました。この浪 板海岸という地域も、「大槌町」に属する事を今日知ったので、こんなコラムを書いてみま した。

 4月1日現在の大槌町の被害状況です。死者537人 行方不明者1066人。一刻も早い 復旧を望みます。
 「浪板観光ホテル」も詳細な情報はありませんが、津波の被害を受けた事は間違いない と思われます。

 添付画像:2009年8月撮影 左に見えるが「浪板観光ホテル」




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